住宅ローンの返済が出来ない…
放置すると約5〜6ヶ月ほどで競売へ
収入の減少、突然の支出増、などによって借りている住宅ローンが返せないという状況になった時、どうなるのでしょうか?
まずは簡単にそうなった時の流れを時系列で解説していきます。
1ヶ月〜2ヶ月滞納
銀行から電話や書面で住宅ローンの返済(支払い)が滞っているので返済してくださいという連絡が届くようになります。
3ヶ月以上滞納
一般には3か月滞納で、個人信用情報機関へ事故情報が登録されます。
これによって、あなたは金融事故を起こしたことが、他の金融機関(銀行、クレジットカード会社、消費者金融など)にわかるようになります。
4ヶ月〜 6ヶ月滞納
住宅ローンの一括返済を請求されるようになります。
専門用語だと「期限の利益の喪失」といいますが、約束通り返済がされな いので、期限の利益(分割して返済することができる権利)が失われ、銀行から一括でローンを完済するように通知が来ます。
6ヶ月〜7ヶ月滞納
住宅ローンで保証会社を利用している場合、銀行は保証会社に対して代位弁済を求めます。
これによって保証会社は住宅ローン残債を銀行に代わりに返済します。
以降は保証会社があなたに対して、未返済残高+利息を支払うように請求するようになります。
7ヶ月〜8ヶ月滞納
保証会社(保証会社を使っていない場合は銀行)が担保にしている不動産(マイホーム)に対して競売を申し立てます。
自宅に「担保不動産競売開始決定通知」が届きます。
10ヶ月〜滞納
裁判所が法律に基づき現地調査を行います。これは拒否できません。
自宅内での写真撮影などを行います。
競売の決定
競売の期間入札通知書が裁判所から届きます。
いついつから競売をしますよ、という内容です。
競売完了と強制立退き
期日に開札が行われ、最も高い値段で入札した人が決定されます。
自宅に売却決定の通知が届きます。
基本的にはそのあとで、立ち退きを求められます。応じない場合は執行官 による強制立ち退きとなります。
債務が残ってれば返済
競売によって売却された代金はローン残債に充てられますが、それでも不足する場合は残りの債務(借金)は残ります。
保証会社(または銀行)に対して返済をすることになります。
なぜ住宅ローンが返せなくなるのか?
「こんなはずじゃなかった・・・」みなさんがそう思っていると思います。
でも何があるかわからないのが人生です。
次への対処を含め、リスク想定の上今後は対応していきたいものです。
住宅ローンが返済できなくなる「よくある事情」
- 転職による収入減。
- リストラや会社の倒産による収入減。
- ケガや病気で収入が減少。
- 親の介護で会社を辞めて収入が減少した。
- 退職金が思ったよりも少なかった。
- 離婚でローン返済を元配偶者がしてくれなくなった。
- 離婚して共同名義・連帯保証人の元配偶者が音信不通になった。
- 収益用に買ったマンションが空き家になり、ローンの支払いが出来なくなった。
リスクを考えすぎていたらとてもじゃないですけど、 数千万円の借金なんてできそうにない…というのが正直な気持ちかもしれません。
そのため、住宅ローンは設計段階において、こうしたリスクを想定したうえで頭金を多めに入れておく、共有名義にするときはルールを決めておく、などの対応も必要になるのではないかと思います。
住宅ローン返済が厳しい時に絶対にやってはいけないこと
どんどん追い詰められてどうしたらいいかわからない、でも返さないといけない、こんな時に一番してはいけないことをご存知でしょうか?
それは「自転車操業」、いわゆるA社で借りたお金をB社で借りて返す、そしてC社…
一番ダメなパターンは自転車操業をすること。
住宅ローンというのは日本で借りられるお金の金利の中でも、もっとも金利の低いローンの一つです。それが詰まっているという時点で、他の形で資金調達をして何とかするというのは、抜本的な解決にはつながりません。
特別な事情があって1ヶ月とか2ヶ月の短期で消費者金融やカードローンを利用するのならともかく、将来が見えない状況で、こうした「目の前だけを見た対処」をするのは絶対に事態を悪化させるだけです。